01.photo essay | 新潟の写真館 VeryveryVery

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2018.09.8

01.photo essay

 

photo by suguri

word by suguri

 

 

 

自分自身を感じる瞬間はいつなのか。

誰しもにとって一番身近で、

いつでのどこでも24時間365日

共に過ごす『自分』という存在。

 

 

不意に考える時があります。

当たり前にそこにいる

私という存在は、

その器であるこの身体が認識されることで

初めて他者に第一の「存在」を認められている。

 

では、

私の器に乗っている私自身が自分を感じるのは

いつなのだろうか。と。

 

ふと数年前の自分を思い返します。

目が覚めて、ぼやっとしながら朝の支度をし

当時の仕事に出かけ、家に帰り、テレビを見て、たまに本を読んで

そして、眠りにつく

ベルトコンベアのような日々に私は確かにいましたが、

そこに自分を感じることはありませんでした。

 

 

当時、私には音楽がありました。

歌詞を書く。

という行為は、

自分という人間を嫌になるほど感じます。

愛情の色も、気にかけ覚えていやすいことも、

人のどんなところを見ているのかも、好きな匂い、

好きな街、その理由からくる自分の性質、

音楽に自分を重ね、そこで自分自身を感じ自分を表現できていることで

バランスを保っていたのだと、今では思います。

 

 

同じように繰り返される日常の中で

同じように物事を見て感じ、同じ視点で考え動くのではなく

そこに意味を持ち、そこに生まれる感情の方向に気付いた時

その時はじめて私が私を生み出しているのです。

 

 

 

写真も同じことが言えます。

写真は撮影者の見ている世界そのものです。

被写体から感じる要素、被写体が持つ魅力、美しさ、特徴

彼、彼女らを作り上げる構成要素はいくつもある中で

自分が見つけるもの、また引き出すもの。

それが写真となって具現化されます。

 

人を相手にしている写真は

撮影者側である私たちが

どこまで相手に向き合うか、寄り添うかによって

生まれるものが大きく異なります。

 

「1歳の赤ちゃんの撮影」

という枠で捉えれば、いくらでも同じ写真が撮れるでしょう。

「3歳の七五三の撮影」

という枠で捉えれば、いくらでもシステマチックに

その子の個性や、家族の個性を打ち消して形として残していくことは

とても容易なことです。

 

 

ご存知の通り、

VeryVeryグループはどの家族も同じく撮ったり、

撮影の進め方もどの家族も同じではありません。

また、スタッフの個性が光る写真館でもあるので

同じ写真を撮るフォトグラファーは存在しません。

 

それはお店とお客様

という関係を越え、

一人の人と人との繋がりこそが

素晴らしい写真、想い出、記憶を

生み出すために必要な要素だからです。

 

 

撮り手が違えば、惹かれるポイントも違い、

感じる魅力が違えば、それを引き立たせる光の選択や創造も変わる。

つまり見えてくる世界が異なるのです。

自然と表現も変わり、同じ場所、同じ被写体であっても

撮る人によって全く違う写真となります。

 

 

カメラを構えた目の前に美しさを持った人がいて

その被写体の魅力や、その人自身を感じることが多い撮影の中で

 

自分を感じること。

 

とはどういうときなのか。

 

 

わたしの場合は

被写体の持つ、その家族や人物だからこその魅力が姿を見せた時、

それを導き出すことに成功した時

そしてそれをファインダー越しに捕まえた時、

冷静と情熱の間に立ったような感覚に陥り、

そして頭の中でメロディが流れ出します。笑

そしてたまに小声で口ずさみながら撮影をしています。笑

 

 

失敗する時は大抵、

自分と異なる世界を見る誰かの写真が脳裏に過ぎった時。

つまりは、別の人が持つ“らしさ”というものを

模写しようとし時です。

 

出来上がったその写真は

似て非なるもの。

 

そこに写るのは被写体である“あなた”と

撮り手である“わたし”ではなく

被写体である“あなた”と

自分らしさを無視して誰かになろうとした“わたし”です。

 

そこからは“自分を感じる”ことは到底できません。

 

 

好きな色を自分に塗りながら、

足したり、混ぜたり、消したりしながら

私たちはお客様の想いを

より豊かに、キレイな人をもっとキレイに、

想い出をより美しく表現し

あなたと

ほんの少し私をかさねて

シャッターを切る。

 

その時、私はこっそり

その写真に

自分を置いてくるのです。

 

 

 

 

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